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大学の中庭でアリとスミレの共生関係を調査

キャンパスが美しい神戸女学院の中でも、芝生が広がる中庭はとくにきれいです。この中庭で、生態学実習の私の担当回では、アリとスミレの共生関係について検討するための調査を行っています。


スミレの種子にはエライオソームと呼ばれるアリを惹きつける成分を含む付属体が付いています。アリはスミレから散らばった種子を、自分たちの巣に持ち帰ります。そして、エライオソームだけをエサとして利用し、種子を巣内や巣外に廃棄します。アリが種子を運んでくれることによって、スミレの種子は捕食者に食べられにくくなったり、種子の発芽率が上がるなど、スミレにとってメリットがあります。


このように、アリとスミレはお互いにメリットのある相利共生の関係にあるといえます。この共生関係から、アリが多い所にはスミレも多く、逆にアリが少ないところはスミレも少ないと予想できます。この予想を調べるための調査を中庭で行っています。


◎中庭の写真です。中心に噴水が設置されています。天気の良い日は、中庭でランチをとる学生もよく見かけます。


◎アリの採集に用いるベイトトラップの写真。ろ紙の真ん中にツナを置いたものです。ツナには、エライオソームに含まれるアリ誘因成分と同じものが含まれています。近くにアリがいれば、あっという間に集まってきます。



◎調査の様子。班に分かれて、中庭のいろいろなところにベイトトラップを設置し、一定時間内に集まるアリを採集します。また、トラップを設置した区画のスミレ類の株数も数え、アリの数とスミレの株数との関係を調べます。今回の実習では、トビイロシワアリなど3種類のアリを採集することができました。


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