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やっかい者なのか、大切な存在なのか

大学職員の方から、最近、小さな羽虫が大量発生して困っていると連絡をもらいました。どんな虫なのか調べてみたところ、キノコバエの仲間であることがわかりました。1mm程度の非常に小さなハエ目の昆虫で、幼虫はキノコや堆肥などをエサとします。そのため、キノコ栽培施設で被害が出ることも多い、ちょっとやっかいな生き物です。


神戸女学院は(当たり前ですが)キノコ栽培施設ではありませんので、キノコバエによる農業被害はありませんが、「不快害虫」と呼ばれる「気持ち悪くて生活に支障が出る虫」と捉えることができると思います。私は基本的にどの生き物も好きですので、特に不快ではありませんが、この手の虫に嫌悪感を抱く人が多いことはよく分かりますので、何らかの対処が必要であると考えます。


いくつか文献を調べたところ、キノコバエの数を減らすためには、ライトトラップ(光で虫を集めて採集する方法)が有効そうですので、学内でも試してみようかと思います。


ただ、キノコバエのように小さな昆虫は、クモをはじめ多くの他の生物の重要なエサ生物であり、あまり数が減ってしまうと、他の生物に悪影響を与える可能性があります。人にとってはやっかいなキノコバエですが、生物多様性の保全の観点からは大切な昆虫でもあるわけですので、完全に根絶してしまうと、やがて私たちのくらしに不利益が出る危険性があります。


建物内に入らないように隙間を塞ぎつつ(小さい虫なのでちょっと難しいですが・・・)、建物内に入ったものだけライトトラップで駆除するか、建物内のライトを虫が集まりにくい波長のものに交換し、建物外のあまり人が通らない場所に虫が集まる低波長のライトをいくつか設置してそちらに誘導するなどが良いかもしれません。


◎実体顕微鏡で拡大したキノコバエ(クロバネキノコバエ?)の写真です。顕微鏡でみないとどんな虫かよく分からないくらい小さいです。


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